神招きの庭 - 奥乃桜子/宵マチ - 小説・無料試し読みなら、電子書籍・コミックストア ブックライブ

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兜坂国の斎庭(後宮)は、神を招き、もてなす場。実体を持つ神々は豊穣と繁栄を招く半面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす。地方の郡領の娘・綾芽は、親友の死の真相を探るため上京した。そこで偶然、荒ぶる女神を鎮めてみせた綾芽は、王弟の二藍に斎庭の女官として取り立てられる。だが、それは国の存亡を揺るがす事件の幕開けに過ぎなかった……。

実態を持つ神々は、豊穣と繁栄をもたらす反面、一度荒ぶれば恐ろしい厄災を国にもたらす。 兜坂国の斎庭は、神を招き、もてなす場。 地方の郡領の娘である綾芽は、親友の死の真相を探るため上京する。そこで偶然にも荒ぶる女神を鎮めた綾芽は、斎庭の女官として取り立てられるのだが……。 神々をもてなし、鎮める場である斎庭(後宮)を舞台とした、和風ファンタジー小説です。 1ページ目から専門用語が多く、世界観も独特なのではじめは少し入り込み辛いですが、神と人との関係に焦点を当てた熱い展開でのめりこんでしまいました。 ミステリ要素を絡めた勢いのある小説展開とは裏腹に、友情と愛情、神と人、人と御霊など、それぞれの登場人物たちの関係性の繊細さ・曖昧さも魅力的だなと思いました。ほんのりと甘いラストも心ときめきます。 最初のページぱらぱらめくった位だととっつきづらいかもしれませんが、ぜひ読んでほしい。 ここからはめちゃくちゃ個人的な性癖の話なので読まなくても良いんですけど……。 昔からセオフィリアというのか、宗教・神聖愛好趣味をこじらせていて、宗教学の本の他異類婚姻譚、神に嫁ぐ系の少女小説などもよく読むのですが、何だかこう個人的に考える神の在り方としっくりこないというか、解釈違いが多く、色々読んでは(違う……!)ともどかしく感じつつ別の本を読み……みたいな面倒なムーブしているんですけど、この小説の神の在り方はかなり理想に近く、久々に解釈一致した感じがしました。 この人の理と相いれないかんじ……。とっても好きです……。